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種を探して海外へ

種を探して各国へ
―種が全ての基本

スプラウトの品質の根幹は種子。経験を重ねてようやく気づいた大原則だった。
現在にまで続く、より良い種子を探す旅が始まった

かいわれ大根を事業として作り始めてから、経験を重ねる中で栽培方式は次第に変わっていきました。一番初めは礫耕でしたが、その次はステンレス製の金網を使った栽培へ、その後はウレタン培地を用いた栽培へ、その後は現在へと続く培地を使わない栽培方法へと移り変わってきました。(詳しくはヒストリーをご参照ください)

当時栽培テストをしたときの記録

その過程で、種子も様々な種苗会社から取り寄せて試験を重ねてきました。ですが、やはり海外の生産地に飛んで、自分の目で見て種を生産する現場を実際に見てみなければ、安定した品質のかいわれ大根を作り続けるのは難しい。その思いが次第に強くなり、1986年~1988年頃にかけて文字通り世界中を飛び回って理想的なかいわれ大根の種子を探しました。

初めは手探り状態で各地を回っていたものの、段々と勝手がわかってくるようになると、収穫のタイミングや、収穫機の仕様やその速度などを指定することもありました。収穫期(ハーベスター)と一緒に歩くことで、そのスピードを農家に肌で理解してもらうためです。こうした原料種子にかけるこだわりは、いまも全く変わっていません。

海外の圃場にて
たわわに実る、収穫前のかいわれ大根種子

優良な種子は、優良な親種からできる。現在も、種子の調達は日本の種苗会社や商社へ一任することなく、種子を生産する現地の種苗会社との直接契約によって委託栽培しています。こうして種子の系統を守ることで、安定した品質の実現に努めています。栽培技術の日々の改善もさることながら、品質の根本は種子の品質を守こと。やはり、日々の栽培の中でもこれが大前提であると感じています。